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ロックミシンなしで端処理を綺麗に仕上げる方法10選

ソーイングの基礎知識
areu

「アルー(areu)」です。ハンドメイド作家としての活動歴は10年以上。こどもが生まれたのをきっかけに洋服作りを始め、現在では親子で楽しめるお揃いの服や、初心者向けのソーイング教室、ワークショップを開催しています。

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みなさんは洋服や小物を作るとき、生地の端処理に悩んだことはありませんか?「ロックミシンがないから、きれいに仕上げられない…」と感じてしまう方も多いと思います。せっかく作った作品だからこそ、最後まできれいに仕上げたいですよね。

実は、家庭用ミシンやちょっとした道具を工夫するだけで、十分に綺麗な端処理ができるんです。

今回は私が実際によく使っているロックミシンの代用になる端処理方法を、わかりやすくまとめてご紹介します。きっとご自身の作品作りに取り入れたくなるテクニックが見つかるはずです。

端処理方法の比較表

端処理の種類やり方用途
ジグザグ縫い生地の端をジグザグに縫うだけ。家庭用ミシンで簡単にできる。巾着、トートバッグ、クッションカバーなど初心者向けの幅広い作品
かがり縫いかがり縫い用の押さえで生地端を巻き込みながら縫う。ポーチ、バッグ内布、エプロン、ランチョンマットなど洗濯頻度が高い作品
袋縫い縫い代を包み込むように2回縫うことで端を隠す。薄手のブラウス、ハンカチ、スカーフなど透け感のある生地
折伏せ縫い縫い代を片側に倒し折り込んでから縫い付ける。ジーンズ、ワークシャツ、エコバッグなど強度が必要な衣類やバッグ
割り伏せ縫い縫い代を左右に割り、端を折り込んでステッチで押さえる。1枚仕立てのジャケット、シャツなど見た目を重視したい箇所
バイアステープでくるむ生地の端をバイアステープで包み、縫い付ける。ポケット口、エプロンの縁取り、ブランケットの装飾など
ピンキングはさみ生地端をギザギザにはさみでカット。フェルト小物、小物入れなど洗濯頻度が少ない作品
裏地をつける本体と裏地を縫い合わせ、縫い代を完全に隠す。トートバッグ、ポーチ、ジャケットなど仕上がりと使いやすさを重視する作品
ほつれ止め液生地端に液を塗り、乾かすだけで簡単にほつれ防止。巾着の紐通し口、リボン端、レースやカットワークの端処理
ブランケットステッチ(かがり縫い)手縫いで生地端をステッチし装飾と補強を兼ねる。フェルト作品、ブランケット

ジグザグ縫い

生地の端をジグザグに縫うだけ。特別な押さえがなくても、ほとんどの家庭用ミシンで対応できます。

メリット
✅ 縫い目が生地の端を押さえるので、ほつれにくくなる
✅ ミシンの基本機能と基本の押さえだけで簡単にできる

デメリット
❌ ロックミシンのようにきっちり端を巻き込めるわけではない
❌ 布を巻き込んで縮んでしまう場合もある

おすすめの用途
✅ 巾着、トートバッグ、クッションカバーなど幅広いアイテムに使える万能な端処理方法です。初心者さんの最初の一歩としてもおすすめ!

かがり縫い

かがり縫い用の押さえを使い、生地の端を巻き込むように縫う方法です。

左:裏から見た縫い目 右:表から見た縫い目

メリット
✅ ジグザグ縫いより端がきれいに仕上がりやすい
✅ 端がしっかりカバーされ、ほつれにくい

デメリット
❌ 押さえやミシンの機能が必要
❌ 厚手生地だと縫い詰まりしやすく、糸調子などの調整が必要

おすすめの用途
✅ ポーチやバッグの内処理、エプロンやランチョンマットなど洗濯頻度が高いアイテムにぴったりです。


袋縫い

生地の端を完全に内側に隠してしまう縫い方。透け感のある生地や薄手のブラウスなどによく使われます。

  1. 生地を外表に合わせて縫い代5mmで縫い合わせます
  2. 生地を開きます
  3. 中表に閉じます
  4. 縫い代1cmで縫います

メリット
✅ 生地端が完全に内側に隠れるため、ほつれが見えない
✅ 透ける生地でも縫い代が目立ちにくい

デメリット
❌ 縫い代に少し余裕が必要
❌ 慣れるまで手順がやや複雑に感じる

おすすめの用途
✅ 薄手のブラウス、ハンカチ、スカーフなど透け感のある生地に最適です。肌に触れるものに使うと快適さがアップします。


折伏せ縫い

シャツやジーンズなどで見かける丈夫な縫い方です。

  1. 生地を中表に合わせて仕上がり線で縫う
  2. 縫い代の片側を半分カットします
  3. 残しておいた方の縫い代をアイロンで折ります
  4. 生地を開いて片側に倒して縫い付けます

メリット
✅ 表から見ても裏から見ても端が隠れて、きれいに仕上がる
✅ 強度が高いので、パンツやシャツなど長く着る衣類に向いている

デメリット
❌ 一手間多くかかるため、時間がかかる
❌ 厚手の生地だと折り込む作業が大変

おすすめの用途
✅ ジーンズ、ワークシャツ、エコバッグなど強度が求められるアイテムにおすすめです。


割り伏せ縫い

縫い代を左右に割ってから、それぞれの端を折り込みステッチをかける方法です。

  1. 縫い代をアイロンで割ります
  2. 左右の縫い代をそれぞれ半分に折ります
  3. 折った縫い代にコバステッチをかけます

メリット
✅ 縫い代が左右に開くため、平らに仕上がりやすい
✅ ごろつきが少なく、見た目もすっきり

デメリット
❌ 折伏せ縫いと同様、ひと手間かかる
❌ 厚みのある生地だと仕上げが難しい

おすすめの用途
✅ メンズシャツやYシャツ、ワンピースの肩部分など、見た目の美しさと快適さが求められる箇所に。


バイアステープでくるむ

曲線部分の処理に便利です。

  1. バイアステープの折り目を開き、生地裏と中表に合わせ、生地端を揃えて縫う
  2. 生地を表から見て、裏からバイアステープを出す
  3. バイアステープで生地端をくるみながら縫い付ける
  4. 見本は目立つ色にしましたが、バイアステープと糸の色を合わせるとスッキリします

メリット
✅ カーブや丸みのある箇所でもきれいに仕上げられる
✅ アクセントとしても楽しめる

デメリット
❌ テープ状にカットする手間がある(市販も可)
❌ 裏から見ても綺麗に縫うのは難しく、コツがいる

おすすめの用途
✅ ポケット口、エプロンの縁取り、ブランケットなど、装飾としても見栄えを良くしたいときに活躍します。


ピンキングはさみを使う

ハサみできるだけの手軽で便利な方法です。

メリット
✅ 手軽で簡単
✅ ギザギザがデザインのアクセントになる

デメリット
❌ 非常にほつれやすい生地には向かない
❌ 洗濯を繰り返すと少しずつほつれる場合がある

おすすめの用途
✅ フェルト小物、ランチョンマット、ちょっとした小物入れなど洗濯頻度が少ないアイテムにおすすめです。


裏地をつける

端処理する必要がなくなり、作品の完成度を上げられます。

メリット
✅ 外側から縫い代がまったく見えず、とてもきれい
✅ 強度が上がり、肌触りも良くなる

デメリット
❌ 手間と生地代がかかる
❌ 初心者には少し難易度が高い

おすすめの用途
✅ トートバッグ、ポーチ、スカート、ジャケットなど作品全体の完成度を高めたいときに。

【関連記事】巾着に裏地を付ける方法


ほつれ止め液を使う

細かい部分に便利です。

メリット
✅ 塗るだけなので簡単
✅ ミシン縫いが難しい箇所にも使える

デメリット
❌ 乾燥後に少し硬くなることがある

おすすめの用途
✅ 巾着袋の紐通し口や、リボン・レースの端処理、カットワークなど細かい部分に最適です。


ブランケットステッチ(かがり縫い)

手縫いでできる簡単な端処理方法です。

メリット
✅ ミシンがなくてもできる
✅ アクセントとして使える

デメリット
❌ 縫うのに時間がかかる

おすすめの用途
✅ フェルト作品、ブランケットの縁取り、ナチュラルな雰囲気にしたい小物類にぴったりです。


実例紹介:スプリングコートの端処理

端処理の方法をいろいろご紹介しましたが、実際にどんなふうに使われているのか気になりますよね?

そこで、私が持っているスプリングコートの端処理をご紹介します!

このコートには、4種類の端処理が組み合わされていて、実用性も見た目の美しさもあるんです。

使われていた端処理方法

折伏せ縫い

場所:背中部分

背中中央の縫い合わせ部分に使用され、強度と着心地を高めています。表から見ても裏から見ても縫い代が隠れていて、とてもきれいです。

割り伏せ縫い

場所:サイドや袖の縫い目など

見頃側面や袖の縫い目部分に使われていて、縫い代が左右に開いているのでごろつかず、見た目もすっきり。

袋縫い

場所:ポケット

ポケットの端処理に使われています。内側に手を入れても縫い代が当たらず、裏から見た時も綺麗です。

バイアステープ

場所:袖付部分(アームホール)

袖と身頃の縫い目部分は曲線が続くので、バイアステープ処理がされています。着脱のときに縫い代が引っかからず、滑りも良くなります。

実際に着てみると…

こうした端処理のおかげで、コートを着たときに内側がごろついたり、縫い代が肌に当たって不快になることがありません。見えない部分まで丁寧に仕上げられていると、着心地や見た目の印象が全然違いますね。

このように、アイテムや部位ごとに適した端処理を選ぶことで、洋服全体のクオリティがぐっと上がります。ぜひみなさんも、自分が持っている洋服の端処理を観察してみてください。思わぬ発見があるかもしれませんよ!

やっぱり綺麗に仕上げたいなら…ロックミシン!

どの方法も工夫次第で十分にきれいな仕上がりになりますが、やっぱりスピーディーで美しい端処理を求めるならロックミシンが最強です!生地を巻き込みながらカットしつつ縫えるので、時間短縮にもつながり、プロのような仕上がりに。頻繁にソーイングをされる方には特におすすめです。

👉 詳しくはこちらの記事でご紹介しています!

ぜひチェックしてみてくださいね!


まとめ

ロックミシンがなくても、工夫次第で綺麗な端処理ができます。用途に応じて方法を選べば、よりきれいで長持ちする作品に仕上がりますよ。ぜひいろいろな方法を試して、ソーイングの幅を広げてくださいね!


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