作品作りで「端処理がなければもっとサクサク進むのに!」と感じたことありませんか?端処理とは、生地の端がほつれないように整える作業で、ロックミシンや家庭用ミシンのジグザグ縫いで行うのが一般的です。
でも、小さなパーツや複雑な形状になると、これがちょっとしたストレスに。
切りっぱなしで使える生地なら楽になりそうですよね?
そこで今回は、私が実際に使ってみて良かった端処理不要、そのまま使える生地を作例とあわせてご紹介します。
「ジグザグ縫いやロック処理がいらない素材を探している」という方にぴったりのアイテムです。
それぞれ使いやすい用途や使いどころがあるので、そこをおさえながら作品作りを楽しんでくださいね。
1. フェルト
工作やキッズ用衣装でおなじみのフェルト。羊毛や化繊で作られた不織布で、生地自体が繊維同士を絡ませて圧縮しているため、端がほつれない構造になっています。

メリット:
- 扱いやすく、初心者や子どもでも簡単に使える
- 安価で百均でも手に入る
- しっかりした素材なので箱のような立体物も作れる
デメリット:
- 洗濯には不向き(ウォッシャブルフェルトもある)
- 衣類には不向き
- 厚手なのでギャザーは寄せにくい
作例:ワッペン、簡易的な衣装、オーナメント、おままごとグッズなど
シールタイプのフェルトなら、貼ってアイロンで接着だけで飾り付け終了!縫い付ける手間すらいりません。
2. トイクロス
ぬいぐるみによく使われる生地です。マジックテープがくっつくため、幼稚園保育園のエプロンシアターなどにも使われます。初心者でも扱いやすい素材。毛足の長いボアタイプもあります。

メリット:
- 柔らかく優しい手触り
- 軽量で丈夫
- カラーバリエーションが豊富で用途が広い
デメリット:
- 摩耗に弱く、長期間の使用で劣化しやすい
- 薄手なので自立させたい形状には不向き
作例:ぬいぐるみ、おままごとグッズ、布絵本など
私のお気に入りのトイクロスです!カラーバリエーションが豊富で、たっぷり使える大きなサイズ。パステルカラーが可愛い。
3. チュール
ネットのような編み目を持つレースの一種です。軽量で柔軟性があり切りっぱなしでもほつれにくいので、衣装や装飾に広く使用されています。

メリット:
- ギャザーを寄せると可愛らしいシルエットが作れる
- 色やデザインのバリエーションが豊富で、重ね使いが可能
- 軽量で扱いやすい
デメリット:
- 引っ掛けると破れやすい
- 透け感が強いので裏地が必要な場合がある
- 柔らかいものは型崩れしやすい
作例: スカートのフリル、装飾
チュールのフレアパンツに使われている生地はこちらです。柔らかくて落ち感があるので気に入っています。
4. フリース
保温性の高い起毛素材で、寒い季節に大活躍します。特に冬用アイテムの素材としておすすめ。

メリット:
- 軽くてあたたかい
- 濡れてもすぐに乾く
- 柔らかく肌触りが良い
- 洗濯機で洗える上、シワになりにくくアイロンが不要
デメリット:
- アイロンの熱で簡単に溶けたり穴が開く
- 毛玉ができやすい
作例: スヌード、ブランケット、手袋やベスト
「ボア」や「ファー」の記載があるフリースは端処理が必要なので気をつけてくださいね。
5. フェイクレザー
ポリウレタンや塩化ビニル樹脂で作られた合成皮革。実は百均でも合皮はぎれを販売しているので、気軽につかうことができます。

メリット:
- 本革に似せた質感で、手軽に高級感が出せる
- 本革より鮮やかな色や柄も選べる
- 本革よりも軽く柔らかいので扱いやすい
デメリット:
- 加水分解やひび割れなどの劣化が3~5年で起こりやすい
- 高温で溶けたり変形する可能性がある
- 縫い穴が目立つため、失敗が許されない
- 滑りが悪いのでミシンで縫う際には専用の押さえが必要
作例: バッグ、ポーチ、シンプルな小物ケース
こんなに沢山の色があるんです!小さいハギレはポーチやコインケースにどうぞ。
6. ビニール生地
ポリ塩化ビニル(PVC)を素材としたシート状の生地。色付きや模様入りもあります。透明感を活かして中身の見えるポーチや、ビーズなどを入れたシャカシャカグッズにも使えます。

メリット:
- 水濡れに強く、プールや洗面周りの小物にも使える。
- 表面を拭くだけで汚れが落ちやすい。
- テーブルクロスやバッグ、ポーチ、間仕切りなど多用途に使用可能。
デメリット:
- アイロンや高温環境で変形ししたり溶けてしまうことがある。
- 紫外線や時間の経過で黄ばんでしまう。
- 滑りが悪いので専用の押さえ金や滑り剤が必要。
- 保管時は折り畳まずに巻いて保存する必要がある。
- 一度縫うと穴が空いてしまうので縫い直しができない
作例: クリアポーチ、窓付きバッグ
ビニール生地は厚み3mmが厚すぎず、自立もするのでちょうどよかったです。
注意!
今回ご紹介した生地は、すべて化繊素材のため高熱のアイロンを使用すると溶けてしまうことがあります。
間違えてアイロンをかけてしまうと、溶けた生地がアイロンにくっついてしまうことも…(私も一度経験しました)。使用時には、アイロンの温度設定に十分注意してください!
いつもの綿生地を端処理不要な記事に変えるだけで、作品創りのハードルがぐっと下がるかもしれません。
今回ご紹介したフェルトやトイクロスを活用して、areuの巾着を作ることができます。ぜひ挑戦してみてください!