最近では、AIが文章を書き、絵を描き、レシピまで考えてくれる便利な時代になりました。
誰でも質の高い成果を出せるようになり、日々の暮らしや仕事はどんどん効率化しています。
しかし、いくらきれいに整ったものが手に入っても、そこに“誰かを想う気持ち”や“物語”がなければ、どこか物足りなさを感じる。
私はそんな今だからこそ、手作りのぬくもりに価値が戻ってきていると感じています。
AIには真似できないもの、それは“気持ち”や“誰かのために作るという想い”。
この記事では、AI時代のものづくりの変化や、私が大切にしてきた手作りの価値についてお話ししていきます。
そして最後には、これから何かを作ってみたいと感じているあなたに向けて、背中をそっと押せるようなメッセージを届けられたらうれしいです。
子どもが描いた絵の話から

私はときどき、わが子が小さな手で描いてくれた絵を思い出します。
線がガタガタでも、色がはみ出していても、上手さなんて求めていません。
でも、その絵を見たとき「この絵、すごく好き」と自然に思うのです。 それは、大切なわが子が一生懸命描いてくれたから。

技術や完成度よりも、「誰が」「どんな気持ちで」描いたのか。 その背景こそが、一番の価値になるのだと思います。
そしてこれは、ハンドメイドの世界にもそのまま当てはまると感じています。
AIが進化する今、ものづくりはどう変わった?

近年、AIの進化によって、私たちの暮らしや働き方は大きく変わってきました。ハンドメイドの世界でも、「作ること」そのものの意味やプロセスが少しずつ変化しています。ここでは、今まさに起きている“ものづくりの進化”を、主に2つの分野に分けて見てみましょう。
クリエイティブな現場での変化
AIの力によって、これまでプロや専門家にしかできなかったクリエイティブな作業が、誰にとっても身近なものになりつつあります。
- イラストやロゴを自動で描くツールが登場し、画像素材が簡単に手に入るように
- 写真や動画もAIで生成し、撮影や編集の手間を大きく省けるように
- 商品紹介文やキャッチコピーも自動で提案してくれるため、言葉選びの不安が軽減
- 音楽やナレーションの作成もAIに任せられるため、SNSや動画投稿がグッと身近に
こうした技術により、表現の幅は広がり、誰でも自由に“創る楽しさ”を感じられるようになっています。
販売やマーケティングの現場でも大きな変化が
「売ること」「届けること」の現場でも、AIはさまざまな形で活躍しています。
- 商品ページのタイトルや説明文を自動生成し、出品作業を効率化
- 売れ筋や流行の傾向を分析して、仕入れや在庫管理を最適化
- 購入前の質問には、AIチャットボットがリアルタイムで対応し、顧客対応の負担を軽減
こうしたAIの導入により、ショップ運営はよりスムーズに。一方で、どのショップも似たような商品紹介や表現になりがちで、「その人らしさ」が埋もれてしまう懸念も出てきています。
だからこそ、“手作り”の価値が見直されている
今は、AIを活用すれば誰でもクオリティの高いものを素早く作れる時代です。
でも、そんな時代だからこそ改めて注目されているのが、「自分の手で」「誰かを想って」作るという行為です。
効率や正確さではAIに敵わなくても、人が作るものには、想いや背景、温かみといった目に見えない価値が込められます。

AIが加速する世の中で、あなたが作ったものだからこそ、意味がある。そんなムードが少しずつ広がっているのを感じます。
効率と便利さが行き渡った今だからこそ、“手間をかけること”や“気持ちを込めること”の価値が、よりいっそう輝き始めているのではないでしょうか。
「あなたが作ったもの」に、価値がある時代へ

私はAIの進化によって、むしろハンドメイドの価値は高まっていると思っています。
- 気持ちがこもっているから
- 贈る相手を想いながら作るから
- 世界にたった一つしか存在しないから
たとえば、母親が子どもに作ってあげるスタイやベビー服。 今は市販品のほうが安くて、高品質なものも簡単に手に入ります。
でも「あなたのために作ったよ」という気持ちは、お金では買えません。

私も、わが子が生まれた当時にたくさんのベビー服を作りました。 その服を着た姿を見て「かわいいな」「大きくなったな」と感じるたび、 自分の手で作ったからこその喜びをしみじみと実感しました。
想いを込めて作るからこそ、続けてこられた

ハンドメイドの洋服の販売を続けている今でも、「誰かのために、気持ちを込めて作る」という想いはずっと変わりません。
よくいただくご注文の内容
- 出産祝いに贈りたい
- お誕生日プレゼントとして
- 記念日に親子でお揃い服を着たい
数年前にご購入いただいた方から、こんなメッセージをいただいたことがあります。
「家族が増えたので、以前作ってもらった服は下の子に。上の子にも新しくお揃いをお願いしたいです」
こんなふうに、思い出を重ねながら長くご愛用いただけるのは、ハンドメイドならではの喜びです。
ソーイング教室で生まれる作品もさまざま
- 発表会で着るための衣装
- 家族や友人への贈り物
- 好きな柄で作る日用品
どの作品も、“気持ち”があるからこそ、形になるのだと感じています。
AIは敵じゃない。上手に使えば、強い味方になる
とはいえ、私もAIを活用することはあります。 大切なのは、使い方とバランスです。
実際に使っている場面は…
- ブログやSNSでの紹介文の作成補助
- 文章を整えるための校正・言い回しの調整
- 写真の背景処理や不要な映り込みの削除

いずれも、自分の中にある想いや構成をベースにしつつ、 伝え方をより良くするための「補助役」として使っています。
「何か作ってみたい」と思ったあなたへ

誰かのために、何かを作りたい──そんな気持ちがふと湧いてきたとき、すぐにでも始めてほしいと思っています。
ハンドメイドは、特別な技術や高価な道具がなくても始められます。 最初は小さな巾着ひとつからでも、作っているうちにきっと「誰かのために何かを作るって、こんなに楽しいんだ」と実感できるはずです。
私自身もそうでした。 我が子に手縫いのスタイを作ったのが始まりで、そこからどんどん“作る楽しさ”に夢中になっていきました。
そんな第一歩を後押しできたらと思い、初心者さんでも挑戦しやすい無料型紙をご用意しています。
最後に:手作りの魅力は、これからもっと輝く
もしも未来に、「AIが自分の写真に似合う服をデザインし、自動で縫製する」 そんな時代が来たとしたら──きっととても便利になるでしょう。
体型や好みに合わせてフィットする服が、誰でも簡単に手に入るようになるかもしれません。 それはそれで、たしかに素晴らしい進歩です。
けれど、その服はあくまで膨大な画像やデータをもとに、AIが組み合わせて生み出したもの。 そこにあるのは「最適化されたスタイル」であって、“あなたの気持ち”や“あなたの物語”まで再現することは、きっとできません。
家族の記念日に、好物の料理を作ってあげる。 わが子のために、小さな椅子や洋服を手作りする。
「この人に喜んでほしい」という気持ちを、形にできるのがハンドメイド。
完璧じゃなくていい。効率的じゃなくていい。 「あなたが作った」という事実こそが、何よりの価値になる。
これからも、そんな“手作りの魅力”を、たくさんの人と分かち合っていきたいと思います。
アルーのハンドメイド作品も見てみませんか?

「誰かのために、気持ちをこめて作る」
そんな思いを込めたお洋服や布小物を、ミンネとクリーマでも販売しています。
出産祝い、お誕生日、お揃いコーデなどにぴったりなアイテムを揃えていますので、よかったらぜひ覗いてみてくださいね。
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